スポーク長の計算式 


左は8年前に買ったDVD『ホイール組の達人』のパッケージ裏の一部です。時間とコストの関係で今までホイール組をやった経験がありませんが、工賃も高くなってきてそろそろ自分で組もうかと思うこの頃です。
このDVDは良くできていると思いますが、いかんせん動画なので要点を見たいときや、実際やるときに紙と違って手元に置きながらということができないのは難点です。

話を戻し、パッケージ裏に書かれている

L² =a² +b² +c² – 2abcosα     ・・・(A)
α=360°÷スポーク数×組数       ・・・(B)

の数式ですが、代入すれば答えは出るものの式の根拠が全く書かれていません。

これについてちょっと考えてみようとCADで描いたものが下の図です。36ホール、6本組、反フリー側を想定して、最初の1組を描いています。
※図クリックで拡大版が開きます。

三角形の定理(余弦定理)から
 
l² =A² +B² – 2ABcosα        ・・・(1)

となりますが、l は投影図なので実長ではありません。
実長(L)を出すには、リムを正面から見た図1の(図B)で考えます。(図B)は直角三角形なので(cos90°=0なので)、下式が成立します。

L² =l² +C²

この式に(1)式を代入すると、

L² =A² +B² +C² – 2ABcosα     ・・・(2)

となり、DVDパッケージ(A)式と一致します。

さて、αはCAD図から60度であることは分かりますが、なぜパッケージに書かれている(B)式が成立するのかしばらく謎でした。36Hの場合、360°÷ スポーク数でリム穴ピッチが10度となるのは分かりますが、10度に組数を掛けるとα が算出されるという根拠が分かりませんでした。これはHUB穴ばかりに注目していたからでした。HUB穴1番目の延長線上のリム穴を1番とし、同様にHUB穴6番目の延長線上のリム穴を7番とします。リム穴1番から7番まで6ピッチとなりαが60°であることが分かります。(B)式はHUB穴ではなくリム穴から割り出された式であることが分かりました。これでやっと式の根拠が分かりすっきりしました。
どこで見てもHUBの6穴から6本組と言われると説明がありますが、これだとHUB穴のピッチは5です。リム穴のピッチが6だから6本組と言う方が正しいと思うんですが、そう書かれているのを見たことはありません。

なお、図1はスポーク径やスポーク頭がエルボとなっていることを考慮に入れていませんので、実際は計測値や計算結果の小数点は切り捨て、答からさらに1mmマイナスするのが良いようです。
割と大雑把なようですが、ニップルには10mmぐらいのネジが切ってあるので多少の誤差は吸収するのでしょう。

値を代入すればスポーク長を計算してくれるサイトもいくつかありますので、実際はそれらを利用するのが手っ取り早いですが、サイトによって答えが違うのは計算式そのものが違うのでしょう。


関連記事
井上組
36ホール 8本組
36ホール 6本組 
スポーク長の計算値 検討
振取台 考
振れ取りと芯出し

4件のコメント

  1. 私は、スポーク長はネットにいくつかある計算サイトを利用し、
    見よう見まねで組んでいるだけですが、先達のすばらしきかなであります。
    うーむと唸っておりました。わはは。

    1. >うーむと唸っておりました
      これは先達のすばらしさに対してですか、それとも…

      紙に書いただけでは分からない組み方の奥深さもあるようですね。

  2. うーむと唸っていたのは、
    「計算式の根拠を探る」という、眞さんのその追求姿勢と、導出力であります。
    私はそこが全くかけております。

    1. ありがとうございます。MakoさんのBlogを見ていて、Makoさんも似ているところがあるなと日頃から思っていたところですが。。。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA